<大人の恋愛事情>運命は導かれるもの?自分で切り開くもの?~25年越しの再会~【後編】

仕事にプライベートに充実した日々を送るオトナ女子たちは、素敵な恋愛をしている人が多いもの。恋の刺激は彼女たちの魅力を引き出し、愛し愛されることで人としての成長や人生の豊かさを与えてくれます。【大人の恋愛事情】では、AREN読者(アレジョ)が一体どんな恋愛をしているのかをインタビュー! オトナ女子のリアルな恋愛事情を紹介します。

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取材時に撮影した美智子さん・茂雄さん

二度目の別れから20年以上の月日が流れていながらも、互いを密かに想い続けていた二人。そんな二人の運命とは…?

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25年ぶりの連絡

美智子さんが働く航空会社の飛行機に乗り続けた茂雄さんだが、2人が運命の再会を果たさないまま20年以上の時が経った。そんなある日、茂雄さんのことを知る友人たちとお酒を飲んでいた美智子さんが、茂雄さんへの気持ちを打ち明ける。今でも茂雄さんへの想いは変わっておらず、どうしても一度連絡を取りたいのだと…。

茂雄さんの連絡先を知っている人もいたが、過去に二人が恋仲にあったことを知る友人たちは美智子さんに連絡先を教えることをためらっていた。茂雄さんにも、そして美智子さんにも家庭があることをわかっていたからだ。

それでも諦めきれない美智子さんは、その後も知人に会うたびに「茂雄さんの連絡先が知りたい」と話していた。そんな美智子さんの想いに根負けした同僚が、ある日こっそり茂雄さんのLINEアカウントを美智子さんに教えてくれた。後悔のない人生を送ってほしいと…。

こうしてやっとの思いで茂雄さんの連絡先を知った美智子さんは、早速茂雄さんにコンタクトをとる。仕事を終えて帰宅した21時頃、ドキドキしながらLINEを送った。実に25年ぶりの連絡だ。相手が自分のことを覚えているのか、どんな気持ちでいるのかもわからない。どんなテキストを送るべきなのか、迷いに迷って送ったのは「こんばんは。美智子です。お元気ですか?」という一文だった。

すぐに「既読」がついた。ずっと連絡をとりたかった茂雄さんが「自分の送ったテキストを読んでいる!」と思うだけで、美智子さんは胸がいっぱいになった。ついに茂雄さんと繋がることができたと。しかし、30分が経っても1時間が経っても茂雄さんからの返信はない。

「既読しているのに返信がないなんて、向こうはもう自分のことを忘れてしまったのかもしれない」「今さら連絡を送るなんて、やはり迷惑だったかもしれない」「まだ仕事中でただ忙しいだけかもしれない」…まるで初恋の中学生のようにハラハラドキドキしながら返信を待つ美智子さん。やっぱりもう茂雄さんに会うことは叶わないのかもしれないと、不安な気持ちを抱えたままその日は眠りについた。

そして翌朝、起きて一目散にスマホを見た美智子さん。新着LINEの通知を見て、胸の高鳴りが抑えられなかった。茂雄さんからの返信が届いていたのは夜中の3時頃。わくわくして開いたLINEの中身は…「生きてます」の一言。その呆気なさすぎる一言に唖然としながらも、なんとも茂雄さんらしいような返信内容に懐かしさを感じた。とにかく返信がきたという事実だけで、美智子さんには十分だったのだ。

これは後にわかった話だが、この時茂雄さんの返事が遅かった理由は「ずっと密かに想い続けていた美智子さんから突然LINEが来たことに浮かれ過ぎて、どんな返信をすればいいのかずっと考えていた」とのこと。そして迷いに迷って送信したのが、「生きてます」の一言だったようだ。普通こんな返信がきたら「向こうには気持ちがないのかな?迷惑だったかな?」と落ち込んでしまいそうだが、この時点で2人のテンションがそれぞれ高揚していたというのはお互いのことをよく理解した関係だからこそだろう。

再会の時

こうして連絡が取れるようになった二人。そこから再会するまでに時間はかからなかった。25年ぶりにデートの約束をしたのだ。久しぶりに一緒に食事をしようと、茂雄さんが誘ったのは二人が付き合っていた頃によくデートした銀座。待ち合わせ場所は、その頃仕事帰りによく待ち合わせた「三越前」。当時は「ライオンの像にまたがって待っている」なんて冗談をよく言っていた思い出の場所だ。

デート当日は土砂降り。それもバケツの水をひっくり返したようなひどい土砂降りだ。この日に限って…。ただの食事の約束ならリスケしてしまうような悪天候だが、25年もの間この日を待ち侘びていた二人には天気など関係なかった。こんな土砂降りの中で「茂雄さんが本当にライオンにまたがって待っていたらどうしよう」などと考えながら、美智子さんは急ぎ足で三越に向かった。

二人が会うのは25年ぶり。SNSなどもしていないので、お互いが今どんな姿なのか想像もつかない。25年前とは違う姿に気が付かなったらどうしようとドキドキしながらも、ただ「会いたい」という気持ちで突っ走った。そして、三越前に佇むライオンの前で見たのは懐かしいあの顔だ。25年間、ずっと会いたくて会いたくてたまらかった顔。わからないわけがない。

それは茂雄さんも同じだ。一目でいいから会いたいと、偶然出会えるかもしれないと飛行機に乗るたびに通路側の席に座って探し続けていたその顔を忘れるわけがない。お互いに歳はとったものの、変わらない面影に安堵した。二人の空気感にも変化はなかった。「25年ぶりの再会」というぎこちなさは全くなく、まるで2日ぶりに会ったカップルのように自然体だった。

茂雄さんが行きつけのしゃぶしゃぶ屋さんで食事をしながら、会っていない間を埋めるようにそれぞれつもりに積もった話で盛り上がった。25年間会いたいと想い続けた二人で過ごす、まるで夢のような時間はあっという間に時が流れた。

「かわいいパンツじゃないからダメ」

しゃぶしゃぶ屋を出たあと、二軒目に茂雄さんが誘ったのは「渋谷」だった。最近お気に入りでよく行っているバーがあった。そのバーに行くつもりで渋谷に誘った茂雄さんだが、美智子さんからの回答に思わず吹き出した。「今日はかわいいパンツを履いていないからダメ」と言うのだ。

そういえば二人が付き合ってた頃は、仕事帰りに銀座で食事をしてから渋谷のラブホテルに行くというのがよくあるデートのパターンだったことを思い出した。美智子さんの中では「渋谷=ホテル」というイメージが染みついていたのだ。この勘違いには二人で大笑いしたものの、互いの距離は一気に縮まった。ひとまず渋谷へ移動して、茂雄さんが通っているバーに入った。おしゃれなジャズミュージックが流れる店内は少し暗く、席の間隔が近いカウンター席に並んで座る。適度にまわってきたお酒と店内のおしゃれな雰囲気も合間って、二人のテンションは最高潮に達した。そして、その場で25年ぶりのキスを交わした。

その後は言わずもがな。激しく求め合い、愛し合った。パンツの柄など見る余裕もない。かわいいパンツじゃなくてもいい、どんなパンツでもいいのだ。

一緒に過ごせなかった25年の月日を埋めるように、二人は今も共に過ごす時間を満喫している。仕事や家庭があるので会える頻度はそこまで多くはないが、できるだけ二人で過ごす時間が作れるよう互いに努力を惜しまない。お互いを想い続けたまま25年もの間、会えない時を過ごしたのだ。残りの人生は一分一秒でも無駄にしたくないのだ。

まさに人生をかけた二人の恋愛は運命的とも言える。運命という言葉の意味を調べると、「人間の意思を超えて喜びや悲しみをもたらす超越的な力。巡り合わせ。運。」とある。切っても切れない「運命の赤い糸」があるとすれば、結ばれた二人はどんな事があってもこうして再会することができるのだろうか? たとえ結ばれた相手がいても、結ばれているだけでは意味がない。自分に届く距離までその糸を引き寄せない限り、二人が一緒にいることはできないのだ。少なくとも美智子さんは自らその糸を引き寄せた。今、二人が共に過ごす幸せを噛みしめられるのは、お互いを想い続けた25年を経て、諦めることなくアクションを起こしたからこそ。勇気を持って自ら運命を切り開いたのだ。

運命の再会を果たした二人の絆は堅いようで、取材中も片時も離れたくない様子で手を繋ぐラブラブっぷりでした。素敵な恋愛エピソード、ありがとうございました!

恋愛コラムニスト&恋愛コンサルタント

男女の習性や思考回路の違いを研究。さらに自らの経験や教訓を活かして、恋愛や男女関係にまつわるさまざまなお悩みを解決しています。現在は恋愛コラムニストとして、恋愛や不倫、性のことなど、男女にまつわるさまざまな記事を多数執筆中。恋愛や男女関係に関することならお任せください!

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